IoT検定対策2章 産業システム(1/2)

産業システム(1/2)

エネルギー関連のIoT

  • 通信機能付きの電気メーター(電力計)を「スマートメーター」と呼ぶ
  • これを家庭内で可視化して電力消費状況などを確認できる家が「スマートハウス」である
  • さらに商用電力からの享受や家庭内の太陽光発電とのバランスを調整するのが「スマートグリッド」である。
  • 家庭内の電力管理を行うシステムが「HEMS(Home Energy Management System)」である。
  • ガスコジェネレーションシステム:エコシステム。排出されるガスエネルギーの中から再利用可能な排熱を用いて発電を行ったり給油を行うシステム。
  • HEMSで使うネットワークのことを「HAN(Home Area Network)」と呼び、日本では通信規格 にECHONET Lite(OSI5層以上)、無線通信方式には Wi-Sun が採用されている。
  • スマートメーターには、A~Cルートが存在する。
    • Aルート:電力会社から家のスマートメーター迄。30分ごとの自動検針、メーターの遠隔操作。
    • Bルート:スマートメーターから家庭内。HEMSコントローラから電力使用量取得。
    • Cルート:電力会社から他社に電力を供給するルート f:id:camelrush:20200814231415p:plain
  • Aルートを使用し、遠隔で電力使用状況を検針する仕組みがAMI(Advanced Metering Infrastructure)であり、光回線・PLC、無線が用いられる。電力会社にはAMIによって取得したデータを管理するMDMS(Meter Data Management System)が存在する。

身近なIoT

  • スマートホーム
    • スマートホーム」は照明調整や施錠管理など、生活を便利するための「賢い家」のこと。エネルギー管理を重点に置いている「スマートハウス」とは異なる。次世代自動車をConnectedCarと呼ぶように、スマートホームはConnectedHomeとも呼ばれる。
    • 室内温度調節「Nest」とは、Google社が買収した米Nest Lab社が発売したサーモスタット製品である。利用者の生活パターンを学習し、自動的に温度調節を行い、光熱費20%~30%の節電効果がある。
    • 代表的なスマートホームのプラットフォームにAppleの「Home Kit」と、Nest Labs社の「Brillo」がある。それぞれ iPhoneAndroidアプリケーションを使ってスマート電球やスマートロックなどの家庭用機器の制御を可能とする。
  • ヘルスケア
    • 2015年から「ストレスチェック制度」が制定。従業員50人以上の事業所が行う必要があり、このチェックにウェアラブルの収集データを活用できる。
    • NEDO北海道大学東京大学が協力し、2016年にヘルスケアIoTコンソーシアムを設立。健康データ流通横断プラットフォームの開発を進めている。
    • 現在は個々の病院で管理されている医療や介護のデータについて、マイナンバーを媒介に共有化を図り、ビッグデータ分析によって疾病の早期発見や傾向把握を進める動きがある。これらを交換・共有するための規約に、国内では「SS-MIX」米国では「HL7」がある。
    • 「HealthKit」はApple社が提供するヘルスケア機器に使用されるアプリケーションプラットフォームである。体重計、エアロバイク、ウォーキングマシンの運動量の管理を行い、病院アプリケーションと連携する。
    • 「GoogleFit」もまた、同様の健康管理データの管理サービスであり、ウォーキングやランニングの歩数や時間データをスマートフォンで記録できる。
  • コネクテッドカー、自動運転、テレマティクス

    • テレマティクス」とは「コネクテッドカー」の前身とも言える技術。2つの大きな違いはネットワークへの接続・通知形態であり、テレマティクスはメールなどのプル型なのに対し、コネクテッドカーは常時接続である。テレマティクスはCANデータをGPS情報などと併せてセンターに送信し、車両走行状況や位置をセンターで一元管理することができた。
      • 「CANデータ」は「Controlller Area Network データ」の略であり、自動車をはじめFA産業機器の故障監視や燃費計測に用いられる制御データの集積である。
    • コネクテッドカー用のOSとしてApple社の「CarPlay」や、Google社の「Android Auto」が提案されている。
    • 「SENSORIS」は、ドイツのHere社が提案した、運転時に得られた渋滞や障害物データを車両からクラウドに収集するインターフェイスの標準化規格である。
    • 「ITS」は「Intelligent Transport Systems」の略であり、高度道路交通システムとも呼ばれる、クルマ同士で情報交換し事故防止や交通渋滞の解決を図る交通システムである。
    • 自動運転のレベルは米国のNHTSA(国家道路交通安全局)が下表のとおり5段階で定めている。
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  • 農業のIoT

    • 植物工場を活用した農業の自動化。植物工場には光合成の実現にあたり、「完全人工光型」と「太陽光利用型」、その両方の併用型がある。「完全人工光型」は屋内でのLED照明等を活用し、天候不順、病害虫、土壌の連鎖障害などの影響を受けず、安定した生産が可能である。
    • スマート農業には、以下のような特徴がある。
      • 農業機械の自動運転、自動走行[超省力・大規模生産]
      • 過去データを活用した精密農業[作物の能力を最大化]
      • 荷物積み下ろし等の重労働の軽量化(アシストスーツ)、水管理自動化[きつい・危険な作業からの解放]
      • 技能承継。栽培ノウハウのデータ化による成果均一化[取り組み易い農業の実現]
      • 生産情報の共有、産地と消費者を直結[先進的な流通の実現]