IoT検定対策3章 法律

法律

通信関連の法律

  • 電波法
    • 電波の利用には「無線従事者免許証」が必要。これは公共電波に対して混信や誤動作が発生し、サービス不全が発生することを避けるためである(なお、スマートフォンなどは携帯会社がまとめて許可を得るため、使用者ひとりひとりに免許は必要ない)
    • 上記に対し、以下の例外が存在する。
      • 特定小電力無線局(特定の用途のもの)
        • 2.4GHz帯、5GHz帯の無線機器(LAN、Wi-FiBlueTooth など)
        • 429MHz帯の無線機器(長距離無線機器)
        • 920MHz帯の無線機器(センサーネットワークやWi-SUNが該当)
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      • 微弱無線局
        • 出力が微弱な機器。ラジコン用発振器、無線カードリーダー等。
        • ELPマーク認定機器
  • 電気通信事業法
    • 回線事業を行う際に必要となる法律。固定電話や携帯事業者だけではなく、ISPMVNO、警備サービス、情報サービスも該当する。
    • 通信内容の検閲・漏洩を規制する内容が盛り込まれている。
    • 喫緊の課題として「070」番号の枯渇問題がある。対策として2017年からIoT/M2M向けに「020」番号帯が用意されている。この番号帯の使用要件はペットの見守りや自販機・ATMの在庫管理、構造物のモニタリングなど、データ通信とSMSのメッセージが対象であり、音声通話は対象になっていない。
  • 国内における無線モジュールに関する許可
    • 電波の利用には原則「無線従業者免許証」が必要。
    • 上記以外で無線発信機を無免許のまま使用するには、対象の機器に技術基準適合証明等のマーク(技適マーク)が必要。
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    • 技適マークは1台ずつに付与する「技術適合証明」と、製品全体に付与される「工事設計認証」がある。
    • アマチュア無線やパーソナル無線には、儀適マークだけではなく免許が必要である。
    • 技適マークとは別に微弱無線局の使用に関しては、「ELPマーク」を付与する必要がある。
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  • 海外における無線モジュールに関する許可
    • 無線電波の利用は各国ごとに異なっているため、各国の法令に従う必要がある。
    • 例えば欧州であれば、電子機器における有害物質の使用制限(RoHS)にも適合する必要がある(CEマークf:id:camelrush:20200817011711p:plain
    • BlueToothの場合は、別途 BlueTooth SIGによる認定をとる必要がある。

製造および航空法に関する法律

  • 製造物責任法(PL法)
    • 製造物に対する瑕疵担保や搬送(取扱注意警告を怠ったなど)の責任
    • 製造業者、工業社、輸入業者が対象となる。
    • 建物(不動産)や、未加工の状態で販売された物(採れたての野菜など)、サービス、ソフトウェア、電気などの無体物は対象外である。ただし、製造物への組み込みプログラムはPL法の範囲となる。
    • 海外からの輸入部品などを使用する場合、PL保険に入っておくことが適当である。
  • ドローン規制法(改正航空法
    • 2015年12月に改正された航空法
    • 200g以上の遠隔操作または自動操縦により飛行させられるものが対象(200g未満のものについては、本法の対象外ではあるが、後述の自治体条例に従う必要がある)
    • 「空域」の規制
      • A.空港などの周辺
      • B.150m以上の高さの空域
      • C.人口集中地区の上空(具体的な範囲は、国勢調査の結果で設定) f:id:camelrush:20200817015700p:plain
    • 無人航空機の飛行の方法」の規制
      • 日中(日出~日没)に飛行させること
      • 目視範囲内で常時監視して飛行させること
      • 人または物体との間に30m以上の距離を保って飛行させること
      • 多数の人が集まる催し(祭礼や縁日など)の上空で飛行させないこと
      • 爆発物など危険物を輸送しないこと
      • 無人航空機から物と投下しないこと
  • 本法に加え、自治体の条例、「小型無人機等飛行禁止法」で別途禁止区域が定められている。

ライセンス

  • オープンソースソフトウェアライセンス
    • OSSの定義には、以下10項目が存在する。
      1. 再頒布の自由
      2. ソースコード
      3. 派生ソフトウェア
      4. 作者のソースコードの完全性(Integrity)
      5. 個人やグループに対する差別の禁止
      6. 利用する分野(Field of Endeavor)に対する差別の禁止
      7. ライセンスの分配(Disribution)
      8. 特定製品でのみ有効なライセンスの禁止
      9. ほかのソフトウェアを制限するライセンスの禁止
      10. ライセンスは技術的中立であければならない
    • 代表的なOSSライセンス例
      • GNUGPL):コピーレフト型。プログラムの二次著作物を作成したプログラムを作成する場合は、その二次著作物もGPLでなくてはならい(ソースを公開しなくてはならなくなる)
      • BSDライセンス:非コピーレフト型(MITも同種)。所定の表記が必要。
      • クリエイティブ・コモンズ著作権を保持したまま著作物を流通させ、受け手はライセンス条件の範囲で再頒布、リミックス可能。条件は以下のマークにより、後者の6通りの組み合わせで示される。 f:id:camelrush:20200817021226p:plain f:id:camelrush:20200817021243p:plain
  • オープンソースハードウェア
  • オープンデータ
    • 誰でも利用できる形式に加工され、公開されているデータ。行政機関の公開データなど。

疑問点

IoTデバイスのエッジプログラムとソフトウェア製造物責任法(PL法)

例として、ESP32デバイスArduinoコードを埋め込んで、BlueTooth対応デバイスとして製品化・販売した後、Arduinoコードに不具合があって誤動作した場合には、PL法の対象として処罰されることがあるか(保険対象となる?)