IoT検定対策6章 プラットフォーム

プラットフォーム

クラウド

分散処理

  • Apache Hadoop
    • HDFSHadoopファイルシステム。マスタであるNameNodeと、スレーブであるDataNodeから成る。入力データはDefault128MBのDataNodeに分散配置され、その配置場所を示すメタデータがNameNodeに格納される。NameNode自身もHA構成に対応している。
    • Map Reduce:分散処理アルゴリズム。Map、Shuffle、Reduceの3段階に分けて並列処理を行う。
      • Map:入力データから処理するデータとキーを抽出する。
      • Shuffle:データの入れ替えを行い、複数のサーバに分担する。
      • Reduce:複数のサーバで処理を実行し、結果をまとめる。
  • Apache Spark:インメモリで動くApache Hadoop
  • Apache Storm:センサデータなど、ストリームデータの分散処理に向いている。
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データ処理

  • RESTフレームワーク
    • ステートレスであること
    • 操作メソッドを統一していること(GET/POST/PUT/DELETE)
    • URIでアドレスを可視化してわかりやすく。セッションIDは含めないこと
    • 情報に他の情報や状態を、(HTMLやXMLなどで)含めることができる
  • JSON
  • Python
  • Node.js
    • C10K問題。
    • MEANスタック:Node.jsによる親和性が高いフレームワーク同士をつないだシステム構成のこと。MongoDB、Express、Angular、Node.js の組み合わせを指す。

IoT検定対策5章 デバイス(2/2)

バイス(2/2)

アクチュエーター

  • 電動アクチュエーターは電気信号を「直進」または「回転運動」に変換する装置(電動ではないが、油圧や空気圧で動かすものも、アクチュエーターの一種)
  • ソレノイド:コイルの中に鉄心を通した装置で、通電によって鉄心(プランジャ)を引き込む(吸引)ことで、直進運動する。コイル域からはみ出ないようストッパーがついており、限定された範囲で動く。普通は通電を切ると吸引が終わるだけなので、直進したプランジャはそのままだが、ストッパにバネをつけてバネ動力で元の位置に戻すものもある。
  • ソレノイドはこのほか、電磁弁に使用されることもある。水や油、空気などの弁。水道の蛇口など。
  • 一方、モーターの回転数に限定域はないため、動力には主にモーターが、制御にはソレノイドが用いられることが多い。
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  • 逆起電力:モーターをOFFした後、停止までの間の動力によって、モーターが発電機となる。逆起電力とはそこから生み出される電力のこと。逆起電力によって回路が壊れる危険性があるため、ダイオードによって装置を守る必要がある。

電圧と実装技術・製造技術

  • 電源:従来、アナログ回路の電源は12V、デジタル回路の電源は5Vが一般的であったが、今般は3.3Vなどが定格化されつつある。FPGAでは、2.5Vや1.8Vのものもある。
  • 電池:
  • 無線給電
    • 日本のICカードの無線給電は 13.56MHz の電磁誘導方式が主流である。Suicaなど。
  • MEMS技術:Micro Electro Mechanical Systemの略。1mm以下の微細機械の設計・実装技術を指す。マイクロマシーン技術とも呼ばれる。インクジェットプリンタのヘッド、加速度センサーの部品のほか、HDDのヘッド位置決め部品の開発などで使用される。

アナログ信号のセンサー

  • 温度センサー
    • サーミスタ:温度で抵抗値が変化する半導体酸化物
    • 熱電対:
    • 白金測温抵抗体:
  • 湿度センサー
  • 圧力センサー
    • ひずみゲージ抵抗式:
    • 静電容量式:
    • シリコンレゾナント式:
  • 光センサー
  • 地磁気センサー
    • ホール素子:
    • MR素子:
    • MI素子:
  • 音センサー(マイクロフォン)
  • 緒音波センサー
  • 赤外線センサー
    • アクティブセンサー:自ら赤外線LEDを照射し、反射光量をフォトトランジスターなどで測定する。人感センサーとして、自動ドアや防犯用センサーに使用。
    • パッシブセンサー:人体が発生している遠赤外線(波長7~14um)の変化で熱源を感知する。トイレの自動点灯などで使用。
  • 接触センサー
  • イオンセンサーとバイオセンサー
    • イオンセンサー:液体中のイオン濃度を計測するセンサ。農業用地の土壌調査、血液分析などにも活用される。
    • バイオセンサー:受容体が持つ分子識別能力を利用して化学物質を検出するセンサー。血糖値測定、水質汚染調査などへの利用のほか、味センサー、匂いセンサーなども該当。

デジタル処理のセンサー

  • 加速度センサー:
  • ジャイロセンサー
  • 画像センサー:
  • 距離センサー:
  • ミリ波レーダー:
  • レーザースキャナ:
  • GPS
  • タッチパネル
    • 表面型静電容量方式:基盤の4隅から微弱な電流を流しておき、接触時の静電容量の変化でタッチ位置を検出するもの。手袋をされると検出されにくくなる。
    • 投影型静電容量方式:
    • 超音波表面弾性波方式:
    • 赤外線光学イメージング方式:
    • 電磁誘導方式:
  • 生体センサー
    • 脈波センサー:心臓の鼓動による血管の体積変化を計測するセンサー
      • 光学式脈波センサー:心拍数の測定で使用。緑色光をよく吸収するヘモグロビンの特色を利用し、発光からの跳ね返りをフォトトランジスタで光検出して測定する。
      • パルスオキシメーター:血中酸素飽和度測定で使用。ヘモグロビンの酸素結合の有無による色の変化と、その割合を計測する。
      • 血圧測定も同様。空気袋(カフ)の圧迫で生じる血液の変化をLEDで解析して最高・最低血圧を算出する。
    • 圧電素子によって就寝時の心拍、ストレスチェックなどを行う。

      スマートフォン

  • BLEビーコン
    • 一定の同じ電波を出し続ける機器のこと。
    • ビーコンには、電波識別のために識別子、マイナー番号、メジャー番号などがデータに含まれる。
    • 用例として、登録済スマートフォンがビーコンに近づいたときに店舗のチラシを配信するサービスなど。
    • 省電力性が求められるため、BLEなどを採用する。
  • IBeacon
    • AppleiOS機器でビーコンを使用する技術。BLEビーコンを使用するためのフレームワークが提供されている。

IoT検定対策5章 デバイス(1/2)

バイス(1/2)

制御装置

マイクロコントローラー

入出力

  • GPIO:用途を限定しない汎用入出力PIN。High/Lowを切り替えて使用。基本的には矩形波出力だが、PWM制御により疑似的な正弦波の出力も可能。
  • UART(または SCI):Universal Asynchronous Receiver Transmitterの略。RS-232cなどで使用。通信内容が長いメッセージ(GPSなど)の場合に使用されることがある。
  • SPI:Serial Peripheral Interfaceの略。Motolora社開発。IC同士の通信で使用されるインターフェイス。マスター・スレーブ方式で1:n通信(マスター 1:スレーブn)の通信が可能。シリアルバス。SDカード(Micro SDも)がこのI/Fを使用。
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  • I2C:Inter-Integrated Circuitの略。Royal Philips社開発。SPI同様、IC同士の通信I/F。低速デバイス(小型ディスプレイ、RTC(リアルタイムクロック))で使用。SPIと異なり、マルチスター(複数マスターからひとつのスレーブに対して通信。マスター同士は不可)が可能。
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  • 1-WIRE:Dallas Semiconductor社製。1本の信号線でデータ送受信、給電が可能。長距離の伝送が可能。デバイスに振られた個別IDで複数の同系デバイスを識別できる。

IoTデバイスを動かすための仕組み

  • バイスの概要
    • CPU・RAM・レジスタを搭載したLSI(大規模集積回路)であるMPUやCPUなしのMCULSIと通信するIOPortで成り立っている。
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    • IOPortには、デジタル入出力端子とアナログ入力端子がある。
  • 電圧とロジックレベル
  • 正論理と負論理
    • 正論理:1をHigh、0をLowとする考え方
    • 負論理:0をHigh、1をLowとする考え方
    • MIL記号表記(下図)では、○の端子が 負論理を示す。
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    • NAND、NORについては、AND、ORの逆。 f:id:camelrush:20200822103805p:plain
  • 抵抗の系列とカラーコード
    • オームの法則:V=IR
    • リード線がついたものと、チップ抵抗(線を持たずに直接プリント基板につける)がある。
    • カラーコードの見方。例 の場合。
      • No1、No2は値(茶:1、緑:5 → 15)
      • No3 は 指数(橙:3 → 10の3乗)
      • No4 は 誤差(金:±5%)
      • → 15 × 103 = 15KΩ(誤差 ±5%)
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  • 語呂合わせで覚える
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  • ダイオード、LED、太陽電池

    • ダイオード:電流を一方向だけに流す素子。P型(+)とN型(-)の半導体(導体と絶縁体の両方の特性を持つ)でできている。
    • LED:発光ダイオード。P型とN型が結合することで出る光を、効率的に発生させたもの。
    • 太陽電池:フォトダイオードとも。LEDの特性を逆に用い、光を当てることでP型とN型に(+)(-)を発生させて電流を流すようにしたもの。
  • トランジスタ

    • 電流を増幅する素子。コレクタ・ベース・エミッタの3端子。
    • (ここは正直さっぱり。別途勉強必要)
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  • スイッチ入力とチャタリング

    • チャタリングは、電子回路のスイッチでVccとGNDの接点を物理的にONにする際、接点で「バウンド」または「擦れ」によって複数回細かなON/OFFが検知されること。
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  • コンデンサ

    • 蓄電器。
    • 容量(C)と蓄積された電荷(Q)の関係は、Q = C × V。
  • 電圧の入力(A/D変換)

    • A/D変換は、サンプリング(標本化) → 量子化 → 符号化 の順に行う。
    • 標本化:アナログ信号から一定間隔で信号を抽出する。
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      • 標準化には「標準化(サンプリング)定理」を用いる。曰く、
      • 「波形の最大周波数の2倍を超えた周波数で標本化すれば完全に元の波形に再構成される」
      • 例えば、電話の最大周波数は 4KHz(ナローバンド 0.3~3.1または3.4kHz) である。
      • つまり電話は、4kHz×2=8kHz、つまり標本化レートを1秒間に8000回にすることによって忠実に再現できる
    • 量子化:標本化した信号を量子化により数値化する。
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    • 符号化:0と1の2進数(デジタルデータ)に変換する。
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IoT検定対策4章 ネットワーク

ネットワーク

データ送信プロトコル

  • HTTP
  • MQTT(Message Queue Telemerty Transport)
    • 特徴は、パケット送受信の回数や量が少なく、軽量であること。
    • ヘッダの2ビットで、QoSの指定が可能
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    • MQTT自体には暗号化は含まれていないため、別途SSL/TLSを使うなどして暗号化が必要(AWS IoTはSSL/TLS
  • AMQP(Advanced Message Queue Protocol)
    • 「RabbitMQ」に代表されるメッセージ相互交換プロトコル
  • CoAP(Constrained Application Protocol)
    • M2M専用のプロトコルであり、デバイス制御に用いられる。
    • 原則UDPを使用していることで誤り訂正などの手順がなく、ヘッダも4Bytesであることから軽量であるという特徴を持つ
    • 非同期通信をサポートしており、2つのデバイスが同時に双方向のデータ送受信を行える。
  • WebSocket
    • 通常のWebサービスはクライアント(おもにブラウザ)の操作によって、サーバからデータを取得するが、WebSocketはこれに加えサーバ側からのPush通知(発火)が可能である。
    • ベースプロトコルや使用ポートはHTTPと同じである。TLSによる暗号化も可能。
    • MQTTなどの他のプロトコルを、WebSocketでカプセル化して暗号化することが可能である。ただし、本来のMQTTの軽量といったメリットは損なわれる。
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WANおよびLAN

  • Wi-Fi
  • 携帯電話の通信規格(3G、LTE、4G、5G)
    • LTEは厳密には3.9G。広告による一般的な認知を優先して4Gに繰り上がった。
    • 4GにはLTE-Advance、WiMAX2の規格がある。
    • 5Gは10Gbps以上の通信速度と、IoTデバイスが10年以上稼働な省電力性を備える
  • 衛星インターネットアクセス
    • 18Mbps程度の速度だが、携帯電波が届かない山間部や海上の通信手段。
    • コマツが建設機器の遠隔車両管理システム「KOMTRAX」に使用
  • エッジコンピューティング、フォグコンピューティング
    • 現場に設置した処理能力が高いコンピュータ(エッジ)が、IoTデバイスから得たセンサーデータを、クラウドに上げる手前で編集・加工してデータ量を圧縮するシステム構成のこと。通信の負荷を下げたり、クラウド通信コストを削減する効果がある。
    • 同様に、エッジがデータ分析を行うことで、デバイスへの制御命令の即時性を向上させることができる。
    • フォグコンピューティングは、複数のエッジを配置し、相互に通信して負荷分散やビッグデータ解析を行う。
  • LAN内通信機器(ルーターゲートウェイなど)
  • LPWA
    • SIGFOX:
      • 920MHz帯使用
      • 1国1事業者の事業提携が前提で、日本では「京セラコミュニケーションズ」がサービス提供
      • 100bpsの低速通信
      • 3Km~50Kmの伝播範囲
      • スター型トポロジ
    • LoRa
      • 920MHz帯使用
      • 10kbpsの通信速度
      • 1Km~15Kmの伝播範囲
      • スター型トポロジ
    • Wi-SUN
      • 1Km程度の伝播範囲。複数デバイス間のセンサーネットワークでカバー。
      • スター型、ツリー型、メッシュ型のトポロジ
      • 広域に対応したセンサーネットワーク(マルチホップメッシュネットワーク)
      • 東京電力スマートメーターの無線通信として採用
      • プロトコルIEEE802.15.4 を採用
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  • MAN
    • Metropolitan Area Network の略。LPWAにより都市をカバーするネットワーク。
    • PAN(Personal) < LAN(Local) < MAN(Metropolitan) < WAN(World)

PAN

  • BlueTooth
    • 2.4Ghzを使用したPANの無線通信規格のひとつ。
    • プロトコルIEEE802.15.1 を採用
    • Verupに伴って速度を犠牲にして距離が伸びる
      • Bluetooth 3.0 では 速度が24Mbps 、距離は数十mまで届く
      • Bluetooth 5.0 では 速度が2Mbps、距離は数百mまで届く
  • BlueTooth Low Energy
    • 大幅な省電力化と小型化を実現。
    • 速度は減衰して 1Mbps と低速。
  • ZigBee
    • プロトコルには、IEEE 802.15.4 を使用
    • バイスに16進数4桁のアドレスを付与でき、65,536個のデバイス接続が可能。
    • 日本では 2.4GHz帯を使用(国による)
    • 通信速度は 100kbps~190kbps。通信距離は20m程度。
    • AESによるデータ暗号化が可能
    • 次世代規格に ZigBeeIP があり、こちらはIPv6対応。下位層ネットワークには6LoWPANを採用。
  • NFCFelica
    • ISO/IEC 18092 による 近距離無線通信を指す。Suicaなど、非接触ICカードで広く活用。
    • ISO/IEC 18000-3 仕様による電磁誘導によって、電源なくカードと通信が可能。
    • 通信速度は 424Kbps。
    • Felicaソニーが開発した、NFCの互換規格。ソニーの商標登録。
    • 完全互換ではないため、NFCの機器はFelicaにつながらない場合がある。
  • 6LoWPAN
    • IPv6 over Low power Wireless Personal Area Networksの略。
    • IPv6でメッシュネットワークを構築する仕様
    • 採用している無線規格は、上のZigBeeIPのほか、BlueTooth4.2、Wi-SUNなどがある。
  • ワイヤレスセンーネットワーク(WSN)
    • 複数のセンサー同士が構成するネットワークのこと。
    • いくつかの接続形態(トポロジー)がある。
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  • 近距離無線通信による位置検出
    • それぞれの無線の電波強度からデバイスの位置を特定する技術

IoT検定対策3章 法律

法律

通信関連の法律

  • 電波法
    • 電波の利用には「無線従事者免許証」が必要。これは公共電波に対して混信や誤動作が発生し、サービス不全が発生することを避けるためである(なお、スマートフォンなどは携帯会社がまとめて許可を得るため、使用者ひとりひとりに免許は必要ない)
    • 上記に対し、以下の例外が存在する。
      • 特定小電力無線局(特定の用途のもの)
        • 2.4GHz帯、5GHz帯の無線機器(LAN、Wi-FiBlueTooth など)
        • 429MHz帯の無線機器(長距離無線機器)
        • 920MHz帯の無線機器(センサーネットワークやWi-SUNが該当)
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      • 微弱無線局
        • 出力が微弱な機器。ラジコン用発振器、無線カードリーダー等。
        • ELPマーク認定機器
  • 電気通信事業法
    • 回線事業を行う際に必要となる法律。固定電話や携帯事業者だけではなく、ISPMVNO、警備サービス、情報サービスも該当する。
    • 通信内容の検閲・漏洩を規制する内容が盛り込まれている。
    • 喫緊の課題として「070」番号の枯渇問題がある。対策として2017年からIoT/M2M向けに「020」番号帯が用意されている。この番号帯の使用要件はペットの見守りや自販機・ATMの在庫管理、構造物のモニタリングなど、データ通信とSMSのメッセージが対象であり、音声通話は対象になっていない。
  • 国内における無線モジュールに関する許可
    • 電波の利用には原則「無線従業者免許証」が必要。
    • 上記以外で無線発信機を無免許のまま使用するには、対象の機器に技術基準適合証明等のマーク(技適マーク)が必要。
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    • 技適マークは1台ずつに付与する「技術適合証明」と、製品全体に付与される「工事設計認証」がある。
    • アマチュア無線やパーソナル無線には、儀適マークだけではなく免許が必要である。
    • 技適マークとは別に微弱無線局の使用に関しては、「ELPマーク」を付与する必要がある。
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  • 海外における無線モジュールに関する許可
    • 無線電波の利用は各国ごとに異なっているため、各国の法令に従う必要がある。
    • 例えば欧州であれば、電子機器における有害物質の使用制限(RoHS)にも適合する必要がある(CEマークf:id:camelrush:20200817011711p:plain
    • BlueToothの場合は、別途 BlueTooth SIGによる認定をとる必要がある。

製造および航空法に関する法律

  • 製造物責任法(PL法)
    • 製造物に対する瑕疵担保や搬送(取扱注意警告を怠ったなど)の責任
    • 製造業者、工業社、輸入業者が対象となる。
    • 建物(不動産)や、未加工の状態で販売された物(採れたての野菜など)、サービス、ソフトウェア、電気などの無体物は対象外である。ただし、製造物への組み込みプログラムはPL法の範囲となる。
    • 海外からの輸入部品などを使用する場合、PL保険に入っておくことが適当である。
  • ドローン規制法(改正航空法
    • 2015年12月に改正された航空法
    • 200g以上の遠隔操作または自動操縦により飛行させられるものが対象(200g未満のものについては、本法の対象外ではあるが、後述の自治体条例に従う必要がある)
    • 「空域」の規制
      • A.空港などの周辺
      • B.150m以上の高さの空域
      • C.人口集中地区の上空(具体的な範囲は、国勢調査の結果で設定) f:id:camelrush:20200817015700p:plain
    • 無人航空機の飛行の方法」の規制
      • 日中(日出~日没)に飛行させること
      • 目視範囲内で常時監視して飛行させること
      • 人または物体との間に30m以上の距離を保って飛行させること
      • 多数の人が集まる催し(祭礼や縁日など)の上空で飛行させないこと
      • 爆発物など危険物を輸送しないこと
      • 無人航空機から物と投下しないこと
  • 本法に加え、自治体の条例、「小型無人機等飛行禁止法」で別途禁止区域が定められている。

ライセンス

  • オープンソースソフトウェアライセンス
    • OSSの定義には、以下10項目が存在する。
      1. 再頒布の自由
      2. ソースコード
      3. 派生ソフトウェア
      4. 作者のソースコードの完全性(Integrity)
      5. 個人やグループに対する差別の禁止
      6. 利用する分野(Field of Endeavor)に対する差別の禁止
      7. ライセンスの分配(Disribution)
      8. 特定製品でのみ有効なライセンスの禁止
      9. ほかのソフトウェアを制限するライセンスの禁止
      10. ライセンスは技術的中立であければならない
    • 代表的なOSSライセンス例
      • GNUGPL):コピーレフト型。プログラムの二次著作物を作成したプログラムを作成する場合は、その二次著作物もGPLでなくてはならい(ソースを公開しなくてはならなくなる)
      • BSDライセンス:非コピーレフト型(MITも同種)。所定の表記が必要。
      • クリエイティブ・コモンズ著作権を保持したまま著作物を流通させ、受け手はライセンス条件の範囲で再頒布、リミックス可能。条件は以下のマークにより、後者の6通りの組み合わせで示される。 f:id:camelrush:20200817021226p:plain f:id:camelrush:20200817021243p:plain
  • オープンソースハードウェア
  • オープンデータ
    • 誰でも利用できる形式に加工され、公開されているデータ。行政機関の公開データなど。

疑問点

IoTデバイスのエッジプログラムとソフトウェア製造物責任法(PL法)

例として、ESP32デバイスArduinoコードを埋め込んで、BlueTooth対応デバイスとして製品化・販売した後、Arduinoコードに不具合があって誤動作した場合には、PL法の対象として処罰されることがあるか(保険対象となる?)

IoT検定対策2章 産業システム(2/2)

産業システム(2/2)

産業界のIoT

  • インダストリー4.0
    • ドイツ政府の技術戦略。高度スマート工場の実現によるビジネスモデル創出の取組み
    • 「OPC(Open Platform Communications)」は1996年にMicrosoftと大手制御機器メーカーが共同で策定した工場機器の連携インターフェイス規格。現在、この規格は「OPC Classic」と呼ばれており、後継の「OPC-UA」が主流である。
    • インダンストリー4.0で工場内データ連携に使用する通信規格には、「OPC-UA(OPC Unified Architecture)」がある。日本国内では同じ規格として「ORiN(Open Resource interface for the Network)」がある。
  • インダストリアル・インターネット
    • 製造業の取組みであるインダストリー4.0に対し、これも含めたエネルギー・ヘルスケア・製造業、公共、運用を対象としたグローバルネットワークによる取り組みが、「インダストリアル・インターネット」である。
    • 世界100社以上の参加企業があり、GE(General Electric)、IntelCiscoIBMAT&Tが主導。
    • ソフトウェア基盤は、GE社の「Predix」というクラウド上のIoTプラットフォームを使用。
    • センサーデータを無構造の「データレイク」に蓄積し、そのデータを分析することで、運用・保守や、次の製品やサービスの開発に活かす。
  • スマートコンストラクション
    • 2015年に日本の建設機械メーカー「コマツ」の主導により開始された、建設工事現場におけるICTを活用した取組み。労働力減少への対応や、現場の安全性確保のほか、ベテラン技術者からの技能承継を実現する。
    • 同社では1996年から「KOMTRAX」というIoTプラットフォームが自社開発されており、世界的にも有名なIoT事例である。ブルドーザなどの建設機器にGPSや通信機器を装備し、Webを介して遠隔で稼働状況・位置・燃料残数などを確認しつつ、遠隔操作で稼働・停止を制御できる。

海外におけるIoTプロジェクト

  • 主な海外プロジェクトの一覧
    • ドイツ:インダストリー4.0
    • フランス:インダストリー オブ ザ フユーチャー
    • インド:スマートシティー 建設プロジェクト
    • 中国:中国製造2025
    • 日本:日本版インダストリー4.0
    • シンガポール:スマート・ネーション・プラットフォーム
    • アメリカ:インダストリアル・インターネット
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IoT関連の標準規格

  • AllJoyn
    • QualComm社が主導している団体Allseen Allianceが開発したホームネットワークの相互通信規格。現在はOCFに合流。
    • 通信はAES128、PSK、ECDSAによりセキュア化可能
    • 機器へのアクションや制御メッセージはXMLで定義される
  • HomeKit
    • Apple社が開発したホームネットワークの通信規格。iOS機器(iPhoneiPadApple TVなど)から、HomeKit対応機器を統合ネットワーク管理する。
  • Thread

    • Google社参加のNet Labs社が開発した家電IoT向けの無線通信規格。近距離・省電力無線通信が主目的。
    • OSI参照モデルでは3層(Network)、4層(Transport)に該当
    • IEEE 802.15.4(WirelessPAN)上のIPv6(6LoWPAN)を基盤とするIPネットワーク。
    • Wifiネットワークとは変換ノードを介して相互に通信することが可能。
  • 機器に関する安全規格

    • IEC61508:機能安全(Functional Safety)について規定
    • IEC62304:医療機器ソフトウェア開発・保守に関する「安全性の向上」を目的とした要求仕様集。ISO19471、ISO13485と併用。
    • ISO14971:医療機器のリスク管理
    • ISO26262:IEC61508の自動車版(機能安全の規定)
  • 情報セキュリティマネジメントに関する規格

    • ISO/IEC 27000シリーズ:情報セキュリティにおける管理基準の策定。ISMSを組織内に確立することが目的。

IoT検定対策2章 産業システム(1/2)

産業システム(1/2)

エネルギー関連のIoT

  • 通信機能付きの電気メーター(電力計)を「スマートメーター」と呼ぶ
  • これを家庭内で可視化して電力消費状況などを確認できる家が「スマートハウス」である
  • さらに商用電力からの享受や家庭内の太陽光発電とのバランスを調整するのが「スマートグリッド」である。
  • 家庭内の電力管理を行うシステムが「HEMS(Home Energy Management System)」である。
  • ガスコジェネレーションシステム:エコシステム。排出されるガスエネルギーの中から再利用可能な排熱を用いて発電を行ったり給油を行うシステム。
  • HEMSで使うネットワークのことを「HAN(Home Area Network)」と呼び、日本では通信規格 にECHONET Lite(OSI5層以上)、無線通信方式には Wi-Sun が採用されている。
  • スマートメーターには、A~Cルートが存在する。
    • Aルート:電力会社から家のスマートメーター迄。30分ごとの自動検針、メーターの遠隔操作。
    • Bルート:スマートメーターから家庭内。HEMSコントローラから電力使用量取得。
    • Cルート:電力会社から他社に電力を供給するルート f:id:camelrush:20200814231415p:plain
  • Aルートを使用し、遠隔で電力使用状況を検針する仕組みがAMI(Advanced Metering Infrastructure)であり、光回線・PLC、無線が用いられる。電力会社にはAMIによって取得したデータを管理するMDMS(Meter Data Management System)が存在する。

身近なIoT

  • スマートホーム
    • スマートホーム」は照明調整や施錠管理など、生活を便利するための「賢い家」のこと。エネルギー管理を重点に置いている「スマートハウス」とは異なる。次世代自動車をConnectedCarと呼ぶように、スマートホームはConnectedHomeとも呼ばれる。
    • 室内温度調節「Nest」とは、Google社が買収した米Nest Lab社が発売したサーモスタット製品である。利用者の生活パターンを学習し、自動的に温度調節を行い、光熱費20%~30%の節電効果がある。
    • 代表的なスマートホームのプラットフォームにAppleの「Home Kit」と、Nest Labs社の「Brillo」がある。それぞれ iPhoneAndroidアプリケーションを使ってスマート電球やスマートロックなどの家庭用機器の制御を可能とする。
  • ヘルスケア
    • 2015年から「ストレスチェック制度」が制定。従業員50人以上の事業所が行う必要があり、このチェックにウェアラブルの収集データを活用できる。
    • NEDO北海道大学東京大学が協力し、2016年にヘルスケアIoTコンソーシアムを設立。健康データ流通横断プラットフォームの開発を進めている。
    • 現在は個々の病院で管理されている医療や介護のデータについて、マイナンバーを媒介に共有化を図り、ビッグデータ分析によって疾病の早期発見や傾向把握を進める動きがある。これらを交換・共有するための規約に、国内では「SS-MIX」米国では「HL7」がある。
    • 「HealthKit」はApple社が提供するヘルスケア機器に使用されるアプリケーションプラットフォームである。体重計、エアロバイク、ウォーキングマシンの運動量の管理を行い、病院アプリケーションと連携する。
    • 「GoogleFit」もまた、同様の健康管理データの管理サービスであり、ウォーキングやランニングの歩数や時間データをスマートフォンで記録できる。
  • コネクテッドカー、自動運転、テレマティクス

    • テレマティクス」とは「コネクテッドカー」の前身とも言える技術。2つの大きな違いはネットワークへの接続・通知形態であり、テレマティクスはメールなどのプル型なのに対し、コネクテッドカーは常時接続である。テレマティクスはCANデータをGPS情報などと併せてセンターに送信し、車両走行状況や位置をセンターで一元管理することができた。
      • 「CANデータ」は「Controlller Area Network データ」の略であり、自動車をはじめFA産業機器の故障監視や燃費計測に用いられる制御データの集積である。
    • コネクテッドカー用のOSとしてApple社の「CarPlay」や、Google社の「Android Auto」が提案されている。
    • 「SENSORIS」は、ドイツのHere社が提案した、運転時に得られた渋滞や障害物データを車両からクラウドに収集するインターフェイスの標準化規格である。
    • 「ITS」は「Intelligent Transport Systems」の略であり、高度道路交通システムとも呼ばれる、クルマ同士で情報交換し事故防止や交通渋滞の解決を図る交通システムである。
    • 自動運転のレベルは米国のNHTSA(国家道路交通安全局)が下表のとおり5段階で定めている。
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  • 農業のIoT

    • 植物工場を活用した農業の自動化。植物工場には光合成の実現にあたり、「完全人工光型」と「太陽光利用型」、その両方の併用型がある。「完全人工光型」は屋内でのLED照明等を活用し、天候不順、病害虫、土壌の連鎖障害などの影響を受けず、安定した生産が可能である。
    • スマート農業には、以下のような特徴がある。
      • 農業機械の自動運転、自動走行[超省力・大規模生産]
      • 過去データを活用した精密農業[作物の能力を最大化]
      • 荷物積み下ろし等の重労働の軽量化(アシストスーツ)、水管理自動化[きつい・危険な作業からの解放]
      • 技能承継。栽培ノウハウのデータ化による成果均一化[取り組み易い農業の実現]
      • 生産情報の共有、産地と消費者を直結[先進的な流通の実現]